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マリコ、もがく。―シンプルで素敵なサービス―

2022.03.16

皆様、こんにちは。マリコです。

それは遠い昔、マリコがまだアラフォーでは無かった時代。モテる女は「さすが!知らなかった!素敵!センス良い!そうなんですね!」といった「サ行の言葉」をうまく使うのだという神話がございました。そしてその神話は令和の今もマリコの中でひっそりと生き続けています…。

第16回目のテーマは『Amazon S3』です。

Amazon S3(アマゾン エススリー):
Amazon Simple Storage Service(アマゾン シンプル ストレージ サービス)の略。
AWS社が提供するクラウド型のオブジェクトストレージサービス。

イメージはトランクルーム

それは昨年の4月、AWSをテーマとして扱ったブログ『マリコ、もがく。-壁は続くよどこまでも-』の中でちょっとだけAmazon S3(以下、S3)に触れたことがあったんです。

□ストレージ部門

S3…Amazon Simple Storage Serviceの略。 容量無制限のストレージサービス。ストレージとは>データの保存場所のこと。S3で作られたストレージはバケットと呼ばれる。

うん、なかなか良くまとまっていますね!「ストレージとは何か」までしっかり言及している辺り、他の初心者向けブログと一線を画しています。データの保存場所、それっぽく言うと外部記憶装置ってことです。
サーバが容量不足でパフォーマンスの低下を起こさないように、コンテンツやログなどの多様なデータをサーバ内から取り出してストレージに保存しておくことができます。そして必要な時にはこのストレージから取出して使用する…そしてそれがクラウド型だからいつでもどこからでも操作可能なんですって。なんて効率的なのでしょう。さすがです!
まるで快適な生活を送るために家の中の荷物を外のスペースに保管しておけるトランクルームのようですね。

ただ、それだけの機能なら他にも類似のサービスがありそうなものですよね。S3の何がそんなに世間を騒がせているのか(騒いでいるのか?)。今回はそんなS3についてマリコなりにもがきたいと思います。

S3の超基本用語

S3の特徴について触れる前に、先ずはS3に関する基本用語の確認をしておきましょう。

・バケット:S3で作られる各保存場所のこと。

・オブジェクト:バケットに保存されているデータのこと。

・ストレージクラス:用途に合わせたS3の種類のこと。

はい、初心者はまずマリコと一緒にこれだけ覚えましょう、何とかなります。
つまりS3の「オブジェクトストレージ」とは、保存されたデータ一つ一つ(オブジェクト単位)で扱うことの出来るストレージサービスということですね!

さてここで、オブジェクトストレージサービスについて少しだけ寄り道…
皆さんの中にGoogle社の『Google Drive』やマイクロソフト社の『OneDrive』をお使いの方いらっしゃいますか?これらも自分のPCのデータをどんどんクラウド上に保存することが出来ますよね。つまりストレージサービスです。ただしこれらは“.docx”や“.zip”といったファイル単位で扱うため「ファイルストレージサービス」と呼ばれています。ファイルが「フォルダー名/ファイル名」の階層構造で管理されるのでそれぞれの関係性が明確です。それにいつもマリコ達がPC上でファイル管理している方法と同じなので、操作が分かりやすいのもメリットです。ただし、ファイル単位の操作しかできない、またそのファイルの保存場所を移動してしまうとファイルの管理情報が変更されてしまう、といったデメリットもあります。(「九州のおばあちゃん」が「北海道のおばあちゃん」になったらもう別人じゃん?多分そんな感じ)

▲ファイルストレージサービス。データ(ファイル)が階層構造で保管される。

一方、オブジェクトストレージサービスは各オブジェクトの存在が並列です。オブジェクトそれぞれにメタ情報(データのためのデータ)がつけられ、階層構造をつくることなく管理されています。なのでオブジェクトが別のバケットに移動しても、管理情報が変わることがありません。(「マリコおばあちゃん」はどこにいっても「マリコおばあちゃん」)

▲オブジェクトストレージサービス。 データ(オブジェクト)が並列に保管される。

ちなみに「バケット」は【英】bucketで、「バケツ」のことですね。知らなかった。
(もっとちなみにパンの種類の「バゲット」は【仏】Baguetteで「棒や杖」といった意味があるそうです。もっと知らなかった)

S3の超基本特徴

では続いて、いよいよS3の特徴についてみていきましょう。これはもうAWSの公式サイトや他のブログさん達にもさんざん出ている内容なのですが、マリコでも分かるような単語でまとめていきますね。

容量無制限
なんてったってS3、容量無制限なんです。1ユーザーで何GBまでとか、一日の上限は何TBまでだとか、そんなものは無い。S3は容量無制限。空き容量を気にせずにどれだけでもデータ保存が出来るということです。スゴイ。
ただし、バケットに保存される個々のオブジェクトサイズの上限は5TBとのことです。5TB、どれくらいか分かります?フルHDの動画ファイル830時間分とからしいです。うん、スゴイ。

イレブンナイン
S3の耐久性を表現する時によく使われるのが「イレブンナイン」という言葉です。「99.999999999%の耐久性でデータを保護していきますよ」という意味なんだそう。9が11回並ぶので「イレブンナイン」。センスありますね!
ちなみに「99.999999999%(イレブンナイン)の耐久性」とは「10,000,000件のオブジェクトを保存する場合、10,000年に 1件のオブジェクトしか失われない」レベルのことらしいです。
どうしてそんなことが可能なのかと言うと、S3では自動的にオブジェクトのコピーを取って地理的に遠く離れた複数(クラスという種類により異なる)のデータセンターに保存してくれるからなのだとか。なのでどこかのデータセンターが災害や障害に見舞われても大丈夫!とのこと。

従量課金制
そんななんかスゴいこと満載のS3ですが、さぞお高いんでしょう?と思うじゃないですか。
それがそうでもないようなのです。標準のストレージクラスですと最初の50TBは1GB辺り0.025USD(2.96円※2022年3月16日現在)で利用可能です!しかももちろん使った分だけ料金が発生する従量課金制なので、「今のところそんなに取り扱うデータ量もないし、バケットの容量あまったら勿体ないんじゃないかしら」と心配する必要もありません。
その他、「リクエスト数(S3バケットにアクセスした回数)」「データ転送量(インターネットからの転送やバケット間での移動などを含めた、データが動いた量)」にも料金が発生するのですが、こちらも従量課金制。とことん、使った分だけお支払いです。
(あと余談ですがGCPが2022年10月1日に大幅に値上げするそうですね。円安傾向も続いていますし、庶民は戦々恐々です)

「分かりやすい」は一番スゴイ

ただ、お気づきの方もいらっしゃるかもしれません。「おいおいマリコ、容量無制限やイレブンナインの耐久性を謳っているストレージサービスなら、Azureの『Azure Blob Storage』やGCPの『Google Cloud Storage』もあるじゃないか」と。

そうなんです!マリコも今回色々と調べてみて気づいてしまったのですが、他にも似たような特徴を持つサービスはあるんですよ!

では結局S3は何がスゴイのか・・・あくまで超IT初心者マリコの見解ですよ?一番のスゴさは「分かりやすさ」では無いかと思いました。

料金体系や細かなサービスの内容、操作方法などなど、どことなく分かりやすい!さすがサービス名に「シンプル」が入っているだけありますよね。マリコみたいな初心者にもとっつきやすい…気がする。ただこれはもう個人感覚なので、是非ともご本人で見比べてみて下さい!

※Azure・・・Microsoft社が提供すクラウドコンピューティングサービス。Microsoft Azure

※GCP・・・Google社が提供するクラウドコンピューティングサービス。Google Cloud Platform

  • Amazon S3 の料金ページ(公式)

https://aws.amazon.com/jp/s3/pricing/

  • Azure Blob Storage の料金ページ(公式)

https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/storage/blobs/#pricing

  • Cloud Storage の料金ページ(公式)

https://cloud.google.com/storage/pricing?hl=ja-JP#asia

さらにストレージサービスを使いたい目的、用途に併せてのストレージクラスの種類が豊富なのもS3の魅力なのかなーと言うことで、次回はS3のストレージクラスの種類についてマリコなりにまとめていこうと思います。

このブログとマリコの第一次モテ期を目指して、この春ももがきます!