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マリコ、もがく。―クラスのメンバーは十人十色―

2022.03.30

こんにちは、マリコです。

この春に各種学校をご卒業された皆様、おめでとうございます。
慣れ親しんだ学び舎、共に青春時代を過ごした学友達との別れを経て、これから皆様はそれぞれの道を歩まれることでしょう。大変な時期に学生時代を経験された皆様のこれからが幸多きものになりますよう、心からお祈り申し上げます。大人もそこそこ楽しいぞー。

第17回目のテーマは『Amazon S3ストレージクラス』です。

ストレージクラス:
ワークロードのデータアクセス、復元力、およびコスト要件に基づいて選択が可能。
2022年3月現在、8つのストレージクラスが提供されている。

種類色々

さて、今回は引き続き「Amazon S3」(以下、S3)がテーマです。

前回のブログではS3に関する超基本的用語や超基本的特徴について触れてみましたが、今回は「ストレージクラス」についてマリコなりにまとめてみたいと思います。

2022年3月現在、AWSからはAmazon S3(ストレージサービス)を使いたい目的、用途に合わせて8つのストレージクラスが提供されています。

① Amazon S3 標準
② Amazon S3 Intelligent-Tiering (S3 Intelligent-Tiering)
③ Amazon S3 標準 – 低頻度アクセス(S3 標準–IA)
④ Amazon S3 1ゾーン – 低頻度アクセス (S3 1ゾーン–IA)
⑤ Amazon S3 Glacier Instant Retrieval
⑥ Amazon S3 Glacier Flexible Retrieval (旧 S3 Glacier)
⑦ Amazon S3 Glacier Deep Archive
⑧ S3 Outposts

うーん、名前だけではイメージしづらいところもありますよね。それぞれにどんな特徴があるか、簡単にまとめていきましょう。

各ストレージクラスの特徴

*汎用

① Amazon S3 標準

・ベーシックなストレージクラス
・アクセス頻度の高いデータ保存向け
・3つ以上のアベイラビリティーゾーン(地理的に離れた場所)に保存
・動的なウェブサイト、動画配信、ビッグデータ分析などの使用におススメ

② Amazon S3 Intelligent-Tiering (S3 Intelligent-Tiering)

・アクセス頻度が不明もしくは変化するデータ保存向け
・アクセス頻度によってデータを最も費用対効果の高いアクセス階層に自動的に移動
・3つ以上のアベイラビリティーゾーンに保存
・アクセスパターンが変化したり、新しいアプリケーションなどアクセスパターンが不明な場合の使用におススメ

*低頻度アクセス

※クラスの名前に「IA」がついたら低頻度アクセス用!

③ Amazon S3 標準 – 低頻度アクセス(S3 標準 – IA)

・アクセス頻度はそこまで高くないけど必要な時には直ぐに取り出したいデータ保存向け
・3つ以上のアベイラビリティーゾーンに保存
・バックアップ使用におススメ

④ Amazon S3 1 ゾーン – 低頻度アクセス (S3 1 ゾーン – IA)

・アクセス頻度はそこまで高くないし必要な時には直ぐに取り出したいけどそこまで重要ではないデータ保存向け
・1つのアベイラビリティーゾーンに保存
・「S3 標準 – IA」を使用するよりコスト20%削減
・ログやバックアップコピーの用途におススメ

*アーカイブ

※クラスの名前に「Glacier」がついたらアーカイブ用!

⑤ Amazon S3 Glacier Instant Retrieval

・アクセス頻度は低いが必要な時には直ぐに取り出したいデータ保存向け
・3つ以上のアベイラビリティーゾーンに保存
・データを取り出すための料金が③よりお高めなので、長く保存しておくだけならこちらのクラスの方がコスパよし
・医療画像やニュースメディアアセット、ユーザー生成コンテンツアーカイブなどの使用におススメ
※アセット(英)assetとは「資産、財産」のこと。デジタルコンテンツ界隈では画像や音楽などの構成要素素材のことらしい。日本語で言って欲しいわ。

⑥ Amazon S3 Glacier Flexible Retrieval (旧 S3 Glacier)

・ベーシックなアーカイブ用ストレージクラス
・アクセス頻度は低いし取り出しに多少時間がかかっても良いデータ保存向け
・3つ以上のアベイラビリティーゾーンに保存
・バックアップや災害対策のユースケースの使用におススメ

⑦ Amazon S3 Glacier Deep Archive

・アクセス頻度は低いし取り出しにすっごく時間がかかっても良いけどコスパよく安全に管理したいデータ保存向け
・3つ以上のアベイラビリティーゾーンに保存
・磁気テープライブラリの代替策としておススメ

*オンプレミス

⑧ S3 Outposts

・AWS Outposts環境で提供されるオブジェクトストレージ
※AWS OutpostsはAWSサービスをオンプレミスで提供するフルマネージドサービスのこと。
※(英)Outpostsは「前哨(ぜんしょう)基地、はずれ、出先機関」のこと。

ストレージクラス目的別チャート

さて、ストレージクラスそれぞれの特徴を簡単にまとめてみましたが、種類豊富で結局何を使ったら良いの?ってなってる方も多いはずです。現にマリコがそうです。選択肢ってありがたいけどあればあるほど迷っちゃうんですよね。ということで目的別のチャートにしてみました。

もちろん他にも各々に複雑な事情があると思うのですが、何かの目安になれば。

それぞれの選択

人生が十人十色、百人百様であるように、Amazon S3のストレージクラスもそれぞれに特徴があることが分かった今回。適切な選択が出来ればかなりのコストダウンが出来そうです。でも一方で全く用途に合っていないストレージクラスを選んでしまうと、きっとそれは大変なことになりそう…ひぇ。
だからせめて、マリコのこのもがきがストレージクラスの選択に一役立てれば幸いです。

そういえばシェイクスピア先生も言っていましたね、「人生は選択の連続である」と。

マリコはこの春ももがくことを選びます。